- 開催期間
- 2010年4月23日(金)~2010年4月29日(木)
- 開館時間
- 10:00~19:00
(最終日は14:00まで) - 会場
- 富士フイルムフォトサロン 大阪
- 入場料
- 無料
富士フイルムフォトサロン 大阪
米花 尚士 写真展「時の止まった街角・イエメン 素顔に出会う旅」
アラブ産油国の華々しい開発競争が懸念されたとおりに自爆し、世界恐慌に油を注いだが、非産油国では中世から変わらぬ鼓動を刻み続けており、時間が止まったような街角の風俗は最貧国といわれているイエメンの人々の暮らしを顕わし、先進諸国のITを駆使し分秒を競う社会生活と対極にある。そこに生活する民は先進社会から見れば取り残された貧しい生活に映るに違いないが、彼らはそういう物質文明とは一定の距離を置きながら、たゆたう時間の流れに身を任せ、彼らの歩調にあった幸福感を抱いていることを感じないではいられない。
現存する最古の都市はシリアのダマスカスであるが、それに次いで世界第二の古都サナアではまさに町の中心部が生きた遺跡そのものであり、狭隘な路地には子供たちの嬌声がこだまし、スークにはロバ市が立ち、日本では廃れた私の幼少時と重なる心を見出し、先進諸国の飽食の時代への警鐘も含めて単純明快な過去へタイムスリップしてみた。
米花 尚士