- 開催期間
- 2009年11月6日(金)~2009年11月12日(木)
- 開館時間
- 会場
- 富士フイルムフォトサロン 大阪
- 入場料
- 無料
富士フイルムフォトサロン 大阪
大石芳野写真展「祈りを織る ラオス−不発弾と生きる−」
東南アジアにある内陸の国ラオス。
山や森が多く、人びとは自然界のさまざまな恵みを生かしながら暮らし、家屋の材料も食糧もみな森の世話になってきた。染織もそんな森の恵みのひとつ。森で得た色を使って絹糸や綿糸を染め、衣裳を作る。
その森に、34年前に終わったはずの戦争の遺産が大量にある。あのベトナム戦争(第二次インドシナ戦争)で米軍が落とした爆弾やクラスター爆弾の子爆弾などの不発弾だ。開墾した畑に鍬を入れ、薬草を採り、薪を集め、牛を放牧し、薪割りや焚き火をするなどごく日常的な生活のなかで、それらが突然に爆発し、被害にあう。人びとは恐れ慄き途方に暮れる。生まれる前に終わったはずの戦争なのに、なぜ自分が? なぜわが子が? あまりの理不尽さに人びとは宇宙の、天の、大地の、神に祈る。女性たちは悲しみや憤りを抱え込みながら、ひたすら杼を操り糸を重ねる。
心の奥深くで問いながら。