"心の中の郷愁のイメージ"
　そうしたイメージを写そうと思ったわけではありませんが、戦時中田舎に疎開して暮らした数年があり、それが私の心の中ではもっとも身近な風景でした。田舎の風景は、ある意味では価値付けのむずかしい対象だと思います。それでも人と自然とが関わり合いながら二千年をかけて創り出した風景には、それなりの心が宿っているのではないでしょうか。
　記録のために写真をとるのではなく、ただ無心に心ひかれた風景をこれからも写し続けていきたいと思います。