中国の古典の一つ、荘子の中に「寂寞有為」という言葉があります。意味は、ひっそりとして自然のまま、作為が無いこと。私が生まれ育った北海道は広大な大地をもち、素晴らしい自然が多く残っています。しかしながら、確実に近代化は行われ、多くの場所に人の手が入り込んでいます。開拓されても広大な舞台であることには違いありません。その調和された風景こそが私の感じる北海道であり、また被写体ともなっています。今回の写真展の題目である｢寂寞有為｣。ひっそりとした自然に、開拓者、そして私の作為や思いが加えられていることを指し示しています。
　このたび北海道大学写真部として四年間活動してきた集大成として個展を富士フイルムフォトサロン札幌で開催いたします。
　是非、ご高覧下さい。

高木　拓真