北海道に、コウモリが生息している。
　札幌にも、多数のコウモリたちがいる。
　私がコウモリのことを知ったのは、もう10年以上も前になる。私が言う「知った」というのは、「何も知らないということを思い知った」ということである。本当のコウモリの姿は、美しく、神秘的で、とてもユニークな愛すべき野生動物だったのだ。 　今まで私がコウモリに抱いていたイメージは、全くの嘘っぱちだったのである。
　コウモリに出会い、私は考えを改めさせられた。自分では疑いもしない「偽りの事実」は、いつの間にか誰かに植えつけられたものであるということだ。自分の目で見、判断し、体験したことでも無いのに、ただ決めつけていたのだ。知らず知らずのうちに。
　そういった視点で世の中を見渡してみると、知っているようで知らないことなど、山のようにあることに気付く。
　私のコウモリの作品を見て、驚き、楽しみ、そして、いかに世の中に知らないことが多いのか、感じて頂けたら幸いです。"

中島　宏章