- 開催期間
- 2009年5月8日(金)~2009年5月13日(水)
- 開館時間
- 会場
- 富士フイルムフォトサロン 札幌
- 入場料
- 無料
富士フイルムフォトサロン 札幌
大沼英樹写真展 SAKURA幸せの樹の下で九州・沖縄編
毎年春になると、桜前線と共に、沖縄から北海道まで日本各地を旅しながら、「桜のある風景」を記録しています。これらの作品はその「桜旅」で撮影した、九州と沖縄の写真をまとめたものです。
私は電線などの人工物を排除して、桜のみの風景写真は撮りません。人々の日常と、そこにある桜とが調和した風景をありのままに記録したいという気持ちでシャッターを切っています。
鮮やかに咲き誇る桜。幸せの象徴である桜。しかしその裏側で、日本が太平洋戦争に突入した時代、「潔く命を捨てる象徴」ともされた悲しい歴史があります。
沖縄諸島の美しい海は戦場になりました。長崎市には原子爆弾が投下されました。現在も忌まわしい戦争の傷跡が数多く残っています。二度と繰り返してはならない悲惨な歴史です。
鹿児島県を歩いていたときのことです。桜並木の下、手をつないで歩いてくるおばあちゃんと女の子に会いました。「この子は明日から小学校に通うんですよ。通学路を間違えないように一緒に歩いているんです」。女の子は嬉しそうにニコニコと笑っていました。その道路脇にある防空壕跡で、綿アメを持って走り回る子供たちの姿が印象的でした。桜並木はこれからも、この道を通る人々の幸せを見守っていくことでしょう。
桜にはそれぞれの物語があります。私にとってはいきいきと咲く「命」を連想させる花なのです。
そして、そこに暮らす人たちの幸せの物語を想うことが、平和につながると信じています。