もう長い間、山河を駆け巡り鷺たちの生態を追い求めてきました。そして思いもよらぬ鳥たちの行動が私の胸を駆り立て、興奮の中でシャッターを押し続けます。
撮影地は主に琵琶湖が多いのですが、琵琶湖の秋はあっという間に通りすぎて冬に入ります。冬は凍てつく場所が多く、その景色に合うのが鷺(特に白鷺)だと思います。吹き曝しの雪の中に真っ白な毛を立て、何かを求めている！！そこに朝日・夕日が入ると幻想的な光景となり、現実と幻想のはざまでシャッターを押します。
作品は、抽象的ではありますがメルヘン調そして絵画的かつ愛を持った作品に表現したいと思っています。
最近は、人間の手で自然破壊が進みコロニーを失った鳥たちは、都会の真ん中に少しだけ残る緑の中にコロニーを作っていることもあります。
私は鳥たちへ愛情が届いていると思っているのですが、彼らからは何も伝わって来ない･･･作品の出来映えが彼らからの答えなのか･･･

三坂　康一